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<プロフィール>
PN:
朱門 優(しゅもん ゆう)
職業:
物書き
サークル:
無口な魔女たち
誕生日:
09/03
出身地:
埼玉生まれの埼玉育ち
趣味:
資料集め・散歩
自己紹介:

フリーで活動しています。東京都在住。
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 ──これは宴だ。
 主人が客人を持て成す宴だ。

「視えんだよなぁ……視えすぎちまうから、眼帯(ふた)してんだよなぁ」
 この街(いえ)の主人は彼ら。
 喪に服すかの如き黒服に身を包んだ、彼らをおいて他になく。
「姫の妖気が視えると申すか? かの槌持つ宮司の眼でも視えなんだというのに?」
 そして客人は彼女たち来訪者。
 なれど、客人が招かれざる客とあらば。
「これは卑怯技だからよ、魔術師(どろみず)にしか使わねーんだ。圧倒的な力を見せられて、例えてめぇが死んじまうような事があってもよ、それ以外じゃ絶対に使わねぇって決めてんだ」
 ──ならば主人は客人を存分に持て成そう。
 今宵の宴の食卓に上がるは、主人の牙で取り分けた客人どもの血肉だ。
「お嬢ちゃんには悪いけどよ、俺ら、魔術師の印象って奴が最悪なんだわ。あんたん国(トコ)じゃどういう存在かは知らねえけど、俺らの国はこの街だからよ。魔術師って知っちまった以上、もうどうにもなんねぇ」
 なれど、その眼を誇る剣士の両の牙はすでに失われている。
 どれだけよく視える眼があろうと、鍛え抜かれた顎(うで)があろうと、牙がなければ喰い千切れまい。
 だから客人は、このような軽口を叩けたのだろうか。
「……然様か。姫の知る限り、魔術師とは奈落の底の底を歩く連中よ。唾を吐きかけるべき対象よ」
「ははっ。お嬢ちゃん、状況がわかってねーな」
「姫は事実を申したまで」
 否。
 否。

 断じて否。

 そのあやかし──今は魔術師と呼ぼうか。彼女自身の言葉を借りて、奈落の魔術師と呼ぼうか。
 奈落の魔術師は承知していた。
 彼女をいったい誰だと心得るか。
 多くの死線を潜り抜け、それでも尚生き残り、憤怒に焦がれるまま「起こさぬでもよい嵐」を巻き起こしてきた張本人ぞ。
 遂には神にすら喧嘩を売り、この島国における「神無月の出雲の集い」が何を意味しているか知りながら、大胆にも幾年に亘り謀り続けてきた胆力の持ち主ぞ。

 その彼女に、あの“眼”の恐ろしさがわからぬはずがなかった。
 そして、その牙が失われてなどいない事を。

 確かに双刀の機能は奪った。あれはもう二度と使い物にはならぬ。
 だが、“眼”の傍らには“刀”の代わりに“矛”がある。
「むんっ!」
 矛を持つ偉丈夫が切っ先をこちらに向ける。仕掛けの施された兵仗の機能自体はどうでもいい。
 問題は──
(まさに番(つがい)よな)
 彼女が唇を歪めた通り、一人ずつならば彼女の敵ではなかっただろう。敵にもならなかっただろう。
 だが、その二人は一対の番。

 ──二人揃って敵は無し!!

(それでも退けぬ)
 奈落の魔術師が「事実」と口にしたのは軽口ではない。
 彼女はまさに奈落の底の底を歩いた、骸を磨くような日々を送ってきた。
 こんな自分が唾を吐きかけられる対象でなくてなんだというのか。
(なれど)
 そんな自分に光を与えてくれた者たちがいる。
 頑なに閉ざしていたはずの瞳を、優しく開いてくれた者たちがいる。
 彼女はその光を見てしまった。
 眩しくて、目を開けている事ができなかった──けれど閉ざしても涙が溢れてきてしまう。
 彼女はもう二度と、その瞳を閉ざす事はできなくなってしまったのだ。

 その彼らを守れるのが、魔術師としてのこの力だけならば。

「──姫は魔術師で構わぬわ!」

 彼女が守りたかったのは、ただ。


 ──あの雪降る町で紡がれた“縁”だけだ──
 

.....To Be Continued






という

実は昨日が台本の締め切りだったわけでして。
あー終わった。今日は絶対仕事しない。もう限界。

すべてを忘れ、ただ惰眠を貪るっっっ!!

とか思っていたら自分のブログのエイプリルフール更新を忘れていたという体たらく。
昼過ぎに起きて、また今年も慌てて書きました。
毎年進歩がない。

だが我が家の姫(猫)が癒してくれる。
それが去年と違う。

では、今年も方々にごめんなさい。

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無題
pyd17
この企画待ってました。
眼帯のお兄さんに矛のお兄さん。
そして二人の相性の良さ。

どこかで見た記憶もありますが嘘企画ですから似ている誰かなのでしょう。

お仕事お疲れ様です。
姫に癒してもらって復活できるとは。
なんと心強いのでしょうか。

この隙を突かれて体調を崩さぬようにお気をつけください。
2009/04/01(Wed)21:32:01 編集
Re:無題
朱門 優(しゅもん ゆう)
>この企画待ってました。

ありがとうございます。
そう言っていただけると、頑張って更新した甲斐があります。

>どこかで見た記憶もありますが嘘企画ですから似ている誰かなのでしょう。

そう、そこ大事。
よくわかっていらっしゃる。

>お仕事お疲れ様です。
>姫に癒してもらって復活できるとは。
>なんと心強いのでしょうか。

今度猫日記を更新したいですな。
需要あるんだろうか、という問題もありますけど。

>この隙を突かれて体調を崩さぬようにお気をつけください。

お気遣いありがとうございます。
2009/04/02(Thu) 22:20
おおキタ───!!
aki
 いや正直、今年はどうかな、と思っていたのですけど、さすがは先生。「一年一度のお約束」きっちりと果たされましたね。

 台本完成、おめでとうございます。(^^)
 ……でもまだ統括としてのお役は残ってると。まだまだ気の抜けない日々が続くこととは思いますが、どうぞがんばってくださいませ。
2009/04/01(Wed)23:49:50 編集
Re:おおキタ───!!
朱門 優(しゅもん ゆう)
> いや正直、今年はどうかな、と思っていたのですけど、さすがは先生。「一年一度のお約束」きっちりと果たされましたね。

ありがとうございます。
そう言っていただけると、来年もまた書ける気になります。

> 台本完成、おめでとうございます。(^^)
> ……でもまだ統括としてのお役は残ってると。まだまだ気の抜けない日々が続くこととは思いますが、どうぞがんばってくださいませ。

いやまったくその通りなのですが。
一番重たい作業は終わったので、ちょっとだけ気を抜いてもいいかなーとか……ダメ?
2009/04/02(Thu) 22:21
遅ればせながらー
tomo@
携帯で更新を見ようかとか色々思ったのですが結局家で熟読させていただきました。

ヒョウッ!!(つい上げてしまった奇声


姫猫というオチをつけて読み直して見るといろいろ納得しましたw
見る角度というより話し方ひとつで超カッチョィィ!!

台本仕上げお疲れ様でしたw
ここで最後にプレッシャー・・・『朝色』楽しみにしております。
2009/04/03(Fri)11:44:04 編集
Re:遅ればせながらー
朱門 優(しゅもん ゆう)
ヒョウッ!!

>姫猫というオチをつけて読み直して見るといろいろ納得しましたw
>見る角度というより話し方ひとつで超カッチョィィ!!

なるほど、そういう見方もあったのか……。

>台本仕上げお疲れ様でしたw
>ここで最後にプレッシャー・・・『朝色』楽しみにしております。

お気遣いありがとうございます。
超胃が痛ェ。
2009/04/04(Sat) 14:51
うわっほい
叶斗
読みました。読んでしまいました。
眼帯のアニキと矛のお兄さん。
次はどうなるんでしょうか、姫は果たして。というか、次はあるのでしょうか?
まぁそこは……ねぇ

「朝色」についていろいろ読みましたー。
まずはお仕事お疲れ様です。いやー楽しみですね。
この世は能力のある人ほど忙しくなるようできているんですよ、たぶん。
しかし大丈夫です。先生には姫(猫)がいらっしゃるじゃないですか。

毎度同じですが、何卒体調にはお気をつけください。
それでは。
2009/04/21(Tue)11:42:17 編集
Re:うわっほい
朱門 優(しゅもん ゆう)
お返事がすっかり遅れてしまいました、ごめんなさい。

>次はどうなるんでしょうか、姫は果たして。というか、次はあるのでしょうか?

なんで僕はこんな縛りをつけたのだろうと小一時間。

>しかし大丈夫です。先生には姫(猫)がいらっしゃるじゃないですか。

マンションに帰ると扉の向こうで出迎えてくれる猫カワユス。

>毎度同じですが、何卒体調にはお気をつけください。

お気遣いありがとうございます。
2009/04/30(Thu) 20:45
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