うちに来てから7年と半年ほど。
うちの猫が息を引き取りました。
腎不全でした。
もとは野良で生活していた子。
やけに美猫だなぁ、なんて思ったのが最初の出逢い。
それがひと夏を過ぎる頃にはいつの間にか懐いていて、冬を迎える頃には「これから寒くなるけど大丈夫かな」なんて心配するようになっていました。
それでも引き取ろうとする事に躊躇していたのは、自分がひどい猫アレルギーだったせい。
昔から猫の毛が舞っているだけでくしゃみが止まらず、屋外ならまだしも、とても室内で猫を飼えるような体質ではなく。
この時ほど、自分のアレルギー体質が恨めしく思った事はありませんでした。
その上、マンション住まいという事もありました。
けれど悩んだ挙句、自分なりに覚悟を決めました。
まず大家さんに頼み込んで了承をいただき、お隣さんにも夜鳴きなどでご迷惑をおかけする事になるかもしれないとご挨拶に伺い、それから空気清浄機を購入して、あの子を迎え入れました。
生まれついて心臓に病気のある子だと発覚したのは、それからしばらくしての事。
獣医さんには「いつ死んでもおかしくない状態」と言われ、必須となった定期健診。
病気がちな子で、その後、アカラスやヘルペス、肺水腫、馬尾症候群、そして糖尿病と患い、たくさんの病と闘いました。
それでも、いつも元気な姿を見せてくれました。
強い薬も飲まなければいけなかったのに、とても食いしん坊で、ご飯を食べない心配なんかほとんどかけたことはありませんでした。
いつもツンと澄ましていた、気高い性格のあの子。
僕が外出する時はそっぽを向いて、なんでもないことのように振舞っているくせに、帰宅すると必ず玄関で待っていて、すっと足元に寄り添うような子でした。
撫でると迷惑そうな声を出すくせに、撫でるのをやめるともっと撫でろと催促して。
僕が寝る時間になると窓から外を見て、不審な人物がいないかパトロール。
それからベッドにやってきて、僕が寝つくまで枕元から動きませんでした。
いつ死んでもおかしくない、なんて言われたって、7年以上も長生きしてくれましたよ。
お陰で、自分もいつしか「この子は強いんだ。大丈夫なんだ」なんて思うようになっていました。
けれど、腎不全になってからは本当にあっという間でした。
じっとしている事が増えて、満足に足腰も動かせない状態になって。
そして、そのまま息を引き取りました。
何度か入院もしましたが、最期は自宅で、静かに旅立ちました。
この記事を書くかどうかはすごく悩みました。
いつだって覚悟はしていたはずだったのに、しばらくは本気で立ち直れなくて。
ただ、ようやく少しは落ち着いてきましたので、生前、このblogやtwitter、またメールなどを通して可愛がってくださった方々へのご報告として記載させていただく事にしました。
たくさんのメッセージやコメント、ありがとうございました。
そういえば、二つほど不思議な事がありました。
ひとつは息を引き取る少し前、急に元気になったこと。
病気で足腰が弱っているはずなのに、まるで以前のように動き回って。
そして、ものすごく甘えてきました。
もう、これでもかというくらいに。
もしかしたら、本人はあのときに自分の死期を悟っていたのかもしれない、なんて今は思います。
それからもう一つ。
あれほどひどい猫アレルギーだったのに、あの子の毛ではくしゃみをまったくしなくなった事。
アレルギーがこんなふうに治る事なんてあるのかと、今でも首を傾げています。
……おつかれさま。
もう、病気で辛い思いをすることも、がんばって薬を飲むこともないよ。
安心して、どうかゆっくり休んでな。
傍に居てくれて、ありがとう。
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